昨日は毎年参加している地域の将棋大会だった。
今年は2回戦敗退だったが、予選は1勝1敗で抽選で勝ち抜け(3人のブロックで3人とも1勝1敗だった)、抽選で決勝1回戦はシードだったので、昨年の1回戦敗退より悪い内容だった。通常3勝かかる所、たった1勝で2回戦まで進出するとは、何とくじ運の良かったことか。
筆者はここ1年くらい将棋の勉強をしておらず、全て忘れてしまっており、先月からたまにネット将棋を指していたが以前のレートでは全く勝てず、今年は予選突破できないと思った。
昔から記憶力が無い方であるが、たった1年休んだくらいで全て忘れてしまい、レートが200も下がるのでは、筆者は将棋に向いてないのだろうとつくづく思う。
2回戦の相手は昨年優勝のI藤さんだった。筆者が絶好調でもまず勝てない相手であるが、先手の筆者に次の局面のような感触の良い手が出た。
通常は4二の銀が4四に居るので、3四の歩を取っても響かないが、この形だと歩を取った後に3筋の歩を伸ばせる。3四の歩を受けるには△1二角と打つしかないが、形が悪いだろう。
筆者は通常、角交換振り飛車には▲6六歩のようにして角交換を拒否するのだが、1回戦で筆者が100回やっても勝てそうにないY田さんがI藤さんに対して▲6六歩と角交換を拒否して負けたのを見て、直前に何か別の展開をガラケーの自作アプリに仕込んだ棋譜の中から1つ探して、その通りに指してみたものである。そういうことをすると通常は相手の研究にはまるので、ろくなことにならないのだが、今回は功を奏した。
対して、後手のIさんは△3二飛と指した。
これを見た瞬間、チャンスだと思った。2三の地点が空いている。
その誘惑に駆られた上、一手前に長考したこともあり、じっくり考えようとは思わなかった。
▲3四角に△4五桂と両取りに跳ねられても▲同角で両方受かる、と、それ以上考えずに、10秒も使わずに▲3四角と指したら、△2五桂とされて、一発で撃沈してしまった。
あと5秒考えていればこの手に気付いただろう。有段者が何の意味もなく、△3二飛のような隙を作る手を指すはずがない、と、何故一瞬でも思わなかったのか。
△2五桂の後、▲同歩、△3四飛、▲2四歩とすれば、後手は歩切れで、と金ができて大差にはならなさそうだが、この局面では丁度△1五角があって、受かってしまう。
△3二飛の局面は激指14のPro+3でも評価値が+280であり、少しリードしていたのは間違いない。その後、▲3四角ではなく、▲2九飛 △5四歩 ▲4八金と桂馬に紐を付け、△1二角 ▲6六歩 △6四歩 ▲1六歩のように進めれば、まあまあ指しやすそうである。
ここまでの手順は激指14のPro+以上の手を続けたものであり、評価値は+228である。
まあ、相手が相手なだけに、こう進んでもまず勝てなかっただろうが…
会場に長沼洋七段作の詰将棋の色紙が飾ってあった。
これが、簡単そうに見えて、意外に長手数だった。
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