日曜は開催していれば毎年参加している、地域の将棋大会に行った。
コロナ明けで再開して2回目であり、今年も参加者が少なかった。A級は16人しか居らず、8人が決勝トーナメント進出だった。
筆者はA級に参加以後、9回中8回は予選突破しているものの、決勝トーナメントでは8回中7回は初戦敗退で、残りの1回も1勝しただけである。大体、1回戦負けしに行っているようなものである。今年もそのつもりで、予選突破も際どかったのだが、何故か優勝してしまった。
■戦績
予選:○×○
決勝:○○○
決勝の1局目は予選の2局目で負けた人に当たった。2局とも居飛車急戦対四間飛車穴熊で、途中までほぼ同じ形だった。予選では先手の私の攻めが空振りして負けたが、決勝では先手の相手の攻めが空振りして労せず勝てた。棋力に差は無い感じで、先に1回負けて相手の穴熊の指し方がわかったので対策を立てやすかった。
予選3局目では無理攻めをしてしまって、予選落ちを覚悟した。
角換わり模様から棒銀で銀交換の後、横歩を取り、この△3三角に▲2二歩△同金▲3一銀△3二金▲2二歩と絡んだ。
この後△3一金▲2一歩成で技ありという読みだったのだが、そこで△4二金上と逃げられると空振りしてまずいことに気付いた(実際、水匠5は-700くらいで後手良しと言っている)。▲2五桂△2四角▲3一飛成としても、壁銀の悪形で銀2枚持たれて△5七角成とされると耐えられる気がしないし、▲1一ととすると△4五銀〜△3四銀打で飛車を殺されてしまう。
相手の方がここで長考されたので、これは負けだろうなと思い、決勝に進めなかった人の中から抽選で受けられるプロ棋士の指導対局を申し込もうと思い始めていた。
実戦はここで△4五銀と飛車を殺しに来られた。▲3五飛に△3一金▲2一歩成△3四銀打
で飛車を殺す手があったのだが、相手の方がこれに気付かず(私も気付かず)、飛車が生還して助かった。
決勝の2局目は先手早繰り銀の受け方がわからず、開始早々収拾がつかない状態になり、厳しい手を食らって必敗になった。ショックで記憶が欠けているのだが、多分こんな感じだった。(筆者が後手)
これで早速受け無し(▲3五歩が受からない)と思い(水匠5曰くここで△4三銀や▲3五歩に△4五歩の切り返しあり)、苦し紛れに△8五飛として、訳がわからなくなった。
△3一玉と入って一安心と思ったら、▲2四歩△同歩▲2三歩とされて終了。(水匠5の評価値は先手+1700)
しかしこの後、先手からなかなか決め手が来なかった。感想戦で聞くと▲2四飛△2一歩の形でずっと▲2二角があるのはわかってたそうだが、何故指さなかったのかはわからず終い。
この後、飛車交換だけを目指して指し続けたら、25手後くらいにたまたま成功して、それと同時に絶好の十字飛車があって、大逆転した。自力ではなく、勝ちが空から降ってきた気分だった。
決勝は昨年優勝、その前にも優勝ありの若い人が相手だった。せめて出だしだけでもそれらしくと思って、図書館で借りた将棋世界2022年5月号(あれ、最近借りたにしては新しくないな)に載っていたのを前日に覚えた、▲3八銀型の角換わり▲4五桂強襲を敢行した。
▲3五歩△同歩を入れ忘れて▲4五桂としてしまったので終わったと思ったが、後手の形が微妙に違うのでたまたま問題無かったようだ。この後△2二銀▲2四歩△同歩までは局後の感想戦で審判の長沼八段からも特にコメント無し。
相手の人には用意があったようで、疑問手の後の▲2四飛に、用意していたという△1三角から逆襲された。その数手後、観戦者からもどよめきが起こった意表の手順で大技を掛けに来られたが、実際その局面になったら皆そうするだろうという素朴な受けがあって実現せず、それで私が指しやすくなり、そのまま労せず勝ててしまった。
振り返ってみると、自力で勝ったのは予選の1局目だけで、後はただ受けていただけだった。会心の一手とか、心の中でガッツポーズできる時は無かった。
まあ今年は特別に強い人や苦手な人達と当たらなかったのも幸いしたと思った。たまに居る五段クラスの人は皆無、常連ではI藤さんはおそらく不参加、E島さんとY田さんは予選落ち、M浦さんとN藤さんは別のブロックで、決勝のトーナメント表を見た時にちょっと安心した。
折角の優勝だが、以前は3位の人までもらえていた盾が無くなっていたのが残念だった。以前はあったが主催者のブログに入賞者の掲載も無し。賞状も以前はその日にもらえたのだが、今年は郵送で、金曜の今日やっと届いた。
例年の通り準備不足で、特に実戦はネット将棋含め半年以上ほとんど指さなかったのでベストコンディションではなかったが、今年は例年より少しだけ頭が冴えていた。ここ3ヶ月くらい、意識的に詰将棋に取り組んだ効果だと思っている。
筆者はここ数年の実感として、読むスピードが落ちているし、すぐ思考停止して読めなくなっている。それは定跡の勉強をよくやっていた時期でも同じで、しかし詰将棋をよくやっていた時期は終盤だけでなく序盤も中盤も読むスピードが上がった。よく詰将棋は実戦の役に立たないという話を聞くが、人によっては、特に高段者にとってはそうなのだろうなと推測するが、アマ三段で実戦不足で将棋の計算能力が低下した筆者にとっては最善のトレーニングに違いないと思った。
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