このウェブサイトを支えているPentium1機の動作が不安になってきたことと、ノートPCだが古いので消費電力が気になってきたこともあって、かねてから気になっていた玄箱を(主に玩具としてだが)購入した。
Web上に情報が豊富にあるため、Debian化はすぐにできた。さらに、Debianのパッケージ管理ツール(apt-get/aptitude)がとてもわかりやすく便利なので、webサーバとしてのセットアップも大体楽にできた。玄箱のこともDebianのことも全く何も知らなかったが、結局組み立てから1週間で最低限のwebサーバ化ができた。
MovableType、Tomcatの移行もできたので、試しにしばらく玄箱でこのサイトを動かすことにした。
しかし、早速いくつか問題が起こっている。
CPUの速度は、計算だけのベンチマークテストでは玄箱(PowerPC 200MHz)の方が倍くらい速いようだが、実用上の動作は玄箱の方が遅いケースもある。CGIの動作は常に玄箱の方が遅い。ApacheもPerlも同じバージョンで、設定にも大差ないので、OSが遅いかPerlが遅いくらいしか原因が思いつかない(Pentium 1機のFreeBSDの方はカーネルの再構築もPerlの再コンパイルもしている)。
RAMが少ないのも問題だ。玄箱はRAMが64Mしかないので、Tomcatやmod_perlのMovableTypeを動かすとswapが多発する。例えば、Tomcatを動かしながらcpanを動かすと、時々シェルがキー入力に反応しなくなり、リモートから操作困難になった。
RAM 128Mの玄箱PROを買うべきだったか?
ynomura
Tomcat5をなるべく実メモリ少なく動かすために、Java VMをいくつかインストールして試してみた。
Java VMの使用RAM領域を完全にスワップアウトしてから小さいservletを動かす方法で、GCJとKaffeとIBM Java VM(for 32bit-ppc ver.142 SR9)(全てJDK1.4.2互換)を比較した所、Tomcat5のservletの動作に必要な実メモリの最小値は、GCJとIBM Java VMが約10M、Kaffeが約6Mだった。
但し、Kaffeは起動時間が半端じゃなく長い。GCJやBM Java VMで2~3分のTomcatの起動に1時間以上かかる。KaffeのJavaコンパイラも強烈に遅いので、残念ながら玄箱では使い物にならない。
ynomura
もう少しMebius MN-340(Pentium 150MHz, RAM 96M)と玄箱の性能を比べてみると、PerlのCGIの動作速度がほぼ互角な以外は、全体的に玄箱の方が1.2~2倍くらい速いようだ。
特に、MN-340はHDDが遅いため、swapが比較にならないほど遅いことがわかった。10年以上前に買ったマシンだけのことはある。色々実験していて、64Mのmallocに1分以上かかったのには笑ってしまった(40GのHDDを積んだ玄箱では遅くても4秒くらいで終わる)。RAMを多目に増設していたので、これまでかなり救われていたようだ。