焼却炉大国日本

ある雑誌で読んだのだが、世界の焼却炉の8割が日本にあるらしい。
外国はゴミを燃やさずに別の方法で処理しているのか?と思ってしまうが、ある意味その通りらしい。
外国では、ゴミは埋めて分解させる(堆肥化することを含む)が普通だ。日本は、プラスチック等の埋めて分解できないゴミが多い上、埋めて分解できるものも埋めない。ひたすら燃やしまくっている。

それを反省して、何もかも再利用しようという考え方を指す「ゼロ・エミッション」という言葉が時々聞かれるようになっているが、外国では「ゼロ・ウェイスト」という考え方の方がポピュラーである。
ゼロ・ウェイスト

やろうと思えば2020年にはゴミ焼却をゼロにできる、というのは、今の日本の状況からは想像することが非常に難しい。しかし、それが想像できないのは、日本が「焼却病」にかかっているからだと言われる。ゴミをいくら出しても燃やしてしまえばいいじゃないか、という考え方である。
今や日本には使い捨てを前提とした製品が溢れ返っており、ひょっとすると使い捨てこそが先進的な生活スタイルだと思っている人がいるかも知れない。それこそが、日本が「焼却病」にかかっている証拠だと言えよう。


昨今、都会で一人暮らししていると、燃えるゴミよりプラスチック系のゴミがはるかに多く出る。
スーパーで食料品を買うと、何もかもビニールや発泡スチロールで包装されており、さらに個包装のように小さな単位で包装されるものも多い。魚や肉は当然、野菜もプラスチックの包装がされる。昔は違った。野菜は新聞紙に包まれて売られていたし、肉も魚も薄いビニール袋で買えた。
日本は過剰包装の傾向が進んでいると思う。現代の日本人が変に潔癖性だからこうなってしまっているのか。日本人が住む空間が自然からかけ離れすぎてしまって、自然のことを考えられなくなってしまっているのか。
ゼロ・ウェイストは消費者が単独で始めて簡単にできるものではない。まず生産者、スーパー・コンビニといった現代的な販売者が、ゼロ・ウェイストをやりやすくする選択肢を消費者に提供しないといけないと思う。そのような選択肢が十分に用意された後、ゴミ処理を有料化すれば、ゼロ・ウェイストは一気に進むのではないだろうか。