プロ棋士や奨励会員も負かしたことがあるフリーの将棋ソフトがあることを今日知った。
Bonanza
勝手に将棋トピックス - Bonanzaと対戦する棋士たち
早速ダウンロードして対局してみた。
確かに強い! Celeron 433MHzの低速PCで、思考時間1手5秒でも、アマ4段はありそうだ。
昔買った某K木将棋IVより10倍速く、飛車1枚強い感じがする。
特徴的なのは棋風が攻撃的なこと。おそらく厳密には無理筋と思われる、戦略的な攻めを連発してくる。私がこれまで対戦してきた受け主体の棋風の市販ソフトと違って、とんでもなく厄介な攻めを狙ってくる。
受けが苦手なアマチュアにはとても勝てそうにない。
先月半ば頃、将棋連盟から棋士とソフトとの無許可対局禁止令が出た。何があったのだろうと思っていたが、どうやら先月初めくらいにBonanzaが将棋会館に持ち込まれ、猛威を振るったようだ。
将棋界を震撼させた恐るべきフリーソフトである。
「近代将棋」11月号にも特集記事が載っているらしいし、市販ソフトのメーカーにとっては大変なライバルが現れたものだ。
K木将棋IVはCPUが速くなってもそんなに強くなりそうではないが、BonanzaはPentium4では将棋倶楽部24でR2400だそうであるから、アマトップの6段よりはるか上、推定9~12段の実力まで強くなるのである。
Bonanzaは戦略を練るのが得意のように思える。全ての手を計算して最善の解を探すという通常の探索ではあり得ない、と思える深さの筋を見つける。Celeron 433でも、どう応じても10手先には必勝、なんてのはザラである。神業のようなアルゴリズムだ。だから、計算量のオーダーなんか関係なくて、CPUが速くなればどんどん強くなるのだろう。
ただ、Bonanzaにも個性的な分、弱点はありそうである。
・明らかな無理筋も決行してしまうこと
自称アマ3段の私でも容易に受け切れることがある。
・無理筋の対処が下手であること
人間が無理筋で攻めると、通用してしまうことがある。先の方の読みは結構粗そう。
・終盤のせり合いに弱い
ここで受けられたら人間は戦意喪失、という局面で、Bonanzaは無理攻めをして自爆してしまう。
強い人でもBonanzaに100%勝つのは難しいが、弱い人でも勝てる時がありそうだ。
荒削りな高段者を相手にしている感じである。
これまで、フリーの将棋ソフトが強かった試しは無かった。10年以上前に有名になったgnushogiも、当時のハイエンドマシンでもアマ3級程度だった。その後も、初段ある物には出会わなかった。
それが、いきなりBonanzaである。時代も変わったものだ。
Bonanzaがあれば、私はもう将棋ソフトを買うことは無いかも知れない。
Pentium4で動くBonanzaには、私はきっと一生勝てないだろう。練習相手には十分である。
今後、市販の将棋ソフトには、強さではなく、画期的な機能を求めたい。
例えば、私のように奇手妙手発見が趣味の将棋指しのための奇手妙手発見サポート、自玉敵玉の寄せを読むのが趣味の将棋指しのための寄せ読みサポートなどをしてくれるソフトが出たら、私は買うと思う。
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