統計検定2級 CBT方式試験受験

8/14(土)に統計検定2級のCBT(Computer Based Test)方式の試験を受けた。 その経緯や感想を書き残す。

結果は76点で合格だったが、筆者としては不本意な結果だった。

■筆者のバックグラウンド
  • 47歳
  • 子供の頃から数学好き
  • 大学時代は理系の学部
    統計学に興味があり、教養課程と大学院の修士課程で統計学を計3回履修したが、推定・検定がさっぱり理解できず
  • 大学卒業後はソフトウェア開発の仕事で全く統計学に触れず
  • 35歳の頃にふと思い立って入門書で統計学を復習
    推定・検定をやっと理解して本weblogに色々書いたが、結局初学者に少し毛が生えた程度
  • 46歳の頃に仕事がデータ分析に変わる
    ある時、会議で推定か検定を使った資料が出てきて、質問しようとしたが、すっかり忘れており、「信頼区間」「有意水準」という言葉すら出て来なかった
■受験のきっかけ

今年の4月に会社から、業務分野に関係あるかも知れない試験として

  • Python 3 エンジニア認定データ分析試験
  • AWS認定試験のどれか
  • 情報処理技術者試験のどれか
  • 統計検定2級
が紹介されたこと。実務的には上の2つが合ってそうだったが、統計学に興味があった私の目は「統計検定2級」しか認識しなかった。

通常のPBT(Paper Based Test)試験は今年は大阪会場が無く、来年以降は1級以外PBT方式試験をしないとのことなので、諦めてCBT試験を受けることにした。

■やったこと

4月にたまたま図書館で「統計学の図鑑」(技術評論社)という本を見つけ、借りて復習のつもりでのべ10時間くらいで一通り読んだ。
GWに「統計検定 2級 公式問題集 2017~2019年」の過去問にトライしたら、時間無制限で少しずつのトライであったが、80%正解したので、目標を優秀「S」判定の基準と言われる90%に置いた。解説を読むと、知らないことが多かったので、「統計学の時間 | 統計WEB」で一通り勉強した。このサイトは大変わかりやすく、ただ感謝である。
それから過去問を2つ解いたが、目標の90%に届きそうに無かったので、もう一度上記サイトを一通り読んだ。
後は過去問をやり続けた。

過去問(1周目)の正答率はこんな感じだった。

過去問やった日正答率所要時間
2019年11月分 5/3 80% 180分
2019年6月分 6/13 86% 150分
2018年11月分 6/19 85% 135分
2018年6月分 7/11 97% 135分
2017年11月分 7/17 85% 100分
2017年6月分 7/22 94% 76分

8月に本番と同じ90分の制限時間を設けて2周目を一通り(6回分)やったが、ある程度問題も答えも覚えてしまっていた為、全て時間内に解け、91〜100%正解した。
最新1回分の試験問題と正解がWebに掲載されているようだが、この投稿を書くまで気付かなかったので、やらなかった。

最初の感想としては、80%正解するのは容易だが90%はかなり難しいと思った。知識不足で何か知らないことが出てきてしまうのは仕方ないとして、知識があって間違えなければ解ける問題も何問か間違えてしまう。問題文の読み損ねや読み間違い(ひっかけ問題にひっかかるのを含む)が特に多いが、電卓操作ミス、マークミスも最後まで出続けた。

勉強時間は、過去問に取り組むのを含めて週末ごとに4〜5時間のペースで、計100時間くらいだったと思う。

過去問に取り組み始めて一番困ったのは、問題文を読むのが辛いことだった。当初は問題文がすっと頭に入って来ず、問題文を見た途端に身体が拒否するようになり、無意識に違うことを考え始めてしまうのが最大の課題だった。筆者は長年、こういう類の文章を素早く次々と読んで理解する必要性が無く、特に数学系の文章問題はほぼ大学以来なので慣れていないのである。
加えて、筆者はこの歳になってから急に身体中にガタが来て、1つの困った症状として、集中できなくなることが増えた。

まだ理解が怪しかったり、記憶が定まらない所があり、もう少し勉強してから受験しようかとも思っていたが、覚えたことを片っ端から忘れ、1ヶ月前に覚えたことは記憶に残ってないような状況が続いたので、肉体的にこれが限界だと思って会社の夏季休暇中に受験することにした。

■本番

最初に全32問と表示されて、34〜35問だと思っていたので、少な目なのだなと油断してしまった。それが原因か、時間管理を誤って大失敗してしまった。

最初の方に確率の問題が多かった。問題のレベルも少し難しいように感じた。確率に関しては2017〜19年の過去問とは全く異なる傾向だったように思う。3つ目の確率の問題で少し手こずって時間を失った後、次の問題がまた確率の問題で、かなり嫌な気分になった。しかも出した答えが選択肢に無く、解き直したりしていると、気付かない内にかなりの時間を使ってしまったようで、その問題は諦めたが最初の7問くらいで30分が過ぎてしまった。
そこからは少し急いだつもりが、12問目を終えた辺りで45分が過ぎてしまい、とんでもないことになったと思った。
そこからは問題文を飛ばし読みで急いで解いたが、26問目を終えて残り12分、そこからも到底1問2分で解けないような問題が続き、最後の大問4つ、選択肢にして6つは問題文をほとんど読まずに回答する羽目になってしまった。

確率に限らず、全体的に2017〜19年の過去問とは出題傾向が違うと感じた。また、推定・検定で時間があっても筆者には解けそうになかった問題も2つくらいあった。

何よりも、問題文の文字数が多かった。CBT試験特有なのだろうか。2017〜19年の過去問では大問が15〜18問で問題数が34〜35なのに対し、大問が32問で問題数が34〜35だったので、前の問題の続きというのがほとんど無く、1問ずつ長文が出てくるのである。
終盤、1問当たり2分くらいしか残っていない状況でも画面いっぱいに文字だらけの問題文が次々と出てきて、読む気が失せてしまった。
最初に出てきた全32問というのが大問のことだと気付かず、問題数が32だと思って油断してしまったが、逆に大問数が倍近いので警戒しないといけなかった。

問題数を勘違いして油断したのと、時間配分の練習が十分でなかったのと、問題文を速く読む練習及び長文を読む集中力が足りなかったのが敗因だった。

■その他、CBT試験について思ったこと

紙の試験と異なり、パソコンの画面を見ながら電卓を操作するのが大変だった。視点を大きく動かすので、先ほど見ていた場所を見失ってしまう。つい今打ち込んだ数字を画面上で探してしまうが、同じ数字が2つあるとわからなくなる。

それから、画面上では小さい文字が判別できない。SxxなのかSxyなのか判別できず、画面を拡大して戻す操作が必要になることがあった。モニターのせいかフォントのせいかわからないが、画面の解像度が低かったようだ。
全体的に、やっぱり紙に印刷された問題より問題文が読みにくいと感じた。画面を凝視すると目が疲れるので、筆者の場合は自然に目を逸らしてしまう。視線の高さが異なるのも一因だろう。

それから、CBT試験は正解が知らされない(PBT試験はWebサイトに正解が発表される)ので、どの問題を間違えたのかがわからないのもデメリットである。

今回、7月下旬にCBT試験の会場を探したら、4月に探した時はあった市内の会場が無くなっていて、さらに新型コロナウィルスの影響か、自宅から行きやすい順に3ヶ所くらいに問い合わせたら、揃って今は休止中と言われた。別のもう1ヶ所は予約不可、満席なら諦めてというあまり力を入れていない感じだったので、やめた。
結局、自宅から行きやすい所を選ぶのを諦め、CBT試験会場として評判が良さそうな難波のパソコン教室を選択した。実際、親切に対応して頂いたし、特に気になることは無く、良い会場だった。
CBT試験は時間帯や会場を選べるとの触れ込みだが、タイミングが悪かったのかも知れないが、会場を選ぶのには結構苦労した。


筆者にとっては、CBT試験はもうこりごりである。