今更ながら、VirtualBoxという無料の仮想マシンソフトがあることを知った。
昔からWindows PCではFreeBSDを動かす為にVMWareを愛用していたし、MacではUNIX系のツールが一通り使えてFreeBSDは必要なかったので、あまり興味が無かった。
今週、ちょっとMacでWindowsを動かしたいと思ったので、調べたら真っ先に見つかった。4年前にMacBookを買った時は、そういう時はBoot Camp(HDDの起動パーティション分割ツール)かParallels Desktop(仮想PCアプリ)を使うのが定番だったし、個人的にはCrossOver Mac(OS不要でWindowsアプリを動かすランタイムライブラリのようなもの)に注目していたし、今年買ったMacBook Airには最初からBoot Campが入っているようなので迷ったが、迷わずにVirtualBoxを使ってみることにした。
今回インストールしたのは、
Windows 2000 Professional
Microsoft Office 2000
柿木将棋VI
Java SE 6 JDK (JDK6)
である。この中で、特にJDK6のインストールにてこずったので、そのことを中心に記録する。
- インストールCDを、何らかの方法で、ディスクイメージファイルにしておく
筆者はMacBook(CDドライブあり)の「ディスクユーティリティ」で、CDドライブを選択して、「ファイル」→「新規」→「"..."からのディスクイメージ」で作成した。 - VirtualBoxを起動して、仮想マシンを新規作成する
- インストールCDを仮想マシンのCDドライブに挿入する
1つの方法としては、VirtualBoxマネージャーの画面で、新しい仮想マシンを選択して、「設定」→「ストレージ」の画面でCDドライブを選択して、「属性」欄のCDアイコンをクリックして、「仮想CD/DVDディスクファイルの選択」を選択して、インストールCDのディスクイメージを指定する。 - Windowsのインストール
仮想マシンを起動するとWindows 2000のインストーラーが起動するので、それに従ってインストールする。 - Guest Additionsのインストール
Windowsを起動して、VirtualBoxのメニューから「デバイス」→「Guest Additionsのインストール」を実行すると、それのインストールCDが挿入されたことになって、インストーラーが起動する。 - Service Pack 4のインストール
SP4は今でもMicrosoftのページから入手できる。
これをインストールしないと、JDKのインストーラーが動かない。
筆者の環境では「高速インストール」版はエラーになったので、「ネットワークインストール」版を推奨する。
- インストールCDを、何らかの方法で、ディスクイメージファイルにしておく
- インストールCDを仮想マシンのCDドライブに挿入する
仮想マシンが起動していれば、ウィンドウ右下のCDアイコンをクリックすれば、「仮想CD/DVDディスクファイルの選択」という選択肢を含む、CDドライブのメニューが出てくる。 - Windows内でCDドライブからOffice 2000をインストールする
- Service Pack 3のインストール
SP3は今でもMicrosoftのページから入手できる。
Office 2000 Service Release 1 (SR-1)がインストールされていなければ、先にSR-1をインストールする必要がある。入手元はわからなくなったが、SR-1のインストーラーのファイル名はo2ksr1.exeであり、128kのネットワークインストーラーでも、現在も使用できた。
●仮想マシンへの柿木将棋VIのインストール
押し入れからWindows 2000やOffice 2000のCDを発掘したついでに見つけたので、インストールした。
手順は同じで、CDのディスクイメージを作成し、マウントし、仮想マシン内でCDドライブからインストールした。
●JDK6のインストール
現在、SunじゃなくなってOracleのサイトからJava SE 6 Update 33 (jdk-6u33)がダウンロードできるが、これをWindows 2000にインストールするのは極めて難しい。このインストーラーを実行すると、
エラー 1721。この Windows インストーラパッケージに問題があります。とか
このWindows インストーラ パッケージには問題があります。このインストールを完了するのに必要なDLLを実行できませんでした。とか
インストールに失敗しましたとかいうエラーが出て、先に進めないのである。
このウィザードは、Java(TM) SE Development Kit 6 Update 33のインストールを完了する前に中断されました。改めてインストールする場合は、再度セットアップを実行してください。
「完了」をクリックして、ウィザードを終了してください。
共通するのは全てWindowsのInstallShieldの問題であり、webで検索すると、Win2000 SP4ではInstallShieldがゴミを残すことがあり、それを消すと解決したとか、ウィルス対策ソフトが邪魔していたとか、様々な情報及び報告があり、実際何かするとインストーラーの挙動が変わったりするので、これだけ情報があればきっと解決するだろう、あと一息だ、と思わせるのだが、その何らかのトラブルがあり失敗しました、原因はわかりません的なメッセージを読む度に絶望を感じるのである。
「Win2000 SP4の更新プログラム ロールアップ 1」やWindows Installer 3.1は何らかの変化をもたらし、期待させたが、同じだけ絶望感ももたらした。
筆者は既にそこまでにのべ丸2日の時間と集中力を潰しており、これ以上取り組むと無駄になる予感と、諦めるとそこまでに費やした労力が完全に無駄になってしまうジレンマがあった。そのジレンマと向き合うことにより、ようやく、JDKのバージョンを下げて解決すればそれでいいという妥協の仕方があることに気付き、多数のJDKをダウンロードしながら情報を探した所、Win2000でjdk-6u24のインストールが静かに中断されるというスレッドを発見した。それは個人的に世紀の大発見であった。それに呼応してjdk-6u23のインストーラーを入手して実行すると、何のトラブルも無くインストールに成功した。
jdk-6u23は、オラクルのアカウントの作成が必要(Sun Java siteのアカウントではサインインできなかった)など面倒だが、Oracle Java ArchiveのJava SE 6 Downloadsのページから入手することができる。
MacBookを買ってから使用頻度が激減したWindowsデスクトップで使っているWindows XPをMacに移したかったのだが、パソコンの付属品にWinXPのインストールCDが含まれていないことに気付いて調べた所、このWinXPはOEM版というやつで、他のHDDへのインストールは認められていないことがわかったので、諦めた。
台所を除いて約7畳のこのアパートのsignificantな一角をWindowsデスクトップのパソコンラックが占めており、これのWinXPをMacノートに移動できると、パソコンラックごと押し入れにお蔵入りして、6畳でも広々暮らせそうに思ったのだが、残念である。
しかも、このWinXPの再インストール用のデータはHDDのリカバリー領域にしか入っておらず、そのHDDが壊れたらWinXPの使用権が消失するのである。HDDが壊れると、バックアップを取っていても、WinXPでしか開けないデータは開けなくなるということだ。もう買って7-8年になるし、HDDに不良セクターも出てるので、本気でWindowsに依存しないように考えないといけなさそうだ。
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