物書き用に使っていた白いMacBook MB402J/Aは、使い心地も外見もとても気に入っていたのだが、半年くらい前から、トラックパッドのボタンが固くなって、クリックする度に、引っ掛かった金属片が弾かれたようなガチッガチッという音がするようになり、さらに、たまに固くて押せない(押す位置を変えると押せる、押せないのはどの位置でも起こる)こともあり、ストレスを感じるようになってしまった。
MacBookのバッテリーパックが膨らんで、真上にあるトラックパッドを押し上げて異常が出るというのはよくあることらしく(参考リンク [1] [2] [3] [4])、筆者のMacBookもそれが原因のようで、バッテリーを外して使うと問題が起こらなかったのだが、MacBookは安全設計で電源プラグが軽く外れるようになっているので、バッテリー無しで使うのは危険すぎる。かといって、トラックパッドでクリックしにくい問題だけのために1万円以上かけてバッテリーを交換する気にはなれない。デスクトップ用の外付けのトラックパッドであるMagicTrackpadを購入するという方法もあるが、6,800円するし、もう少しバッテリーが膨らむと全くクリックできなくなるらしいので、そうなったらMagicTrackpadを購入したことを後悔するだろう。マウスを買うのも同じリスクがあるし、筆者は元々マウスというデバイスが苦手なのである。
半年悩んだ末、悩む時間が勿体なく思うようになったので、携帯性を高めるため、自分への誕生日プレゼントと自分に言い訳して、ついにMacBook Air MC969J/Aを買ってしまった。本当はMC968J/Aを買おうとしたのだが、誕生日の前日に慌てて買いに行った日本橋のどこにも在庫が無かった。
新しいMacの電源を入れたら、セットアップウィザードの数画面先で、別のMacからのデータ移行のメニューが出てきた。ネットワーク経由で別のMacから直接コピーするか、外付けHDDのTimeMachineバックアップから取り込むかを選択できたが、ネットワーク経由でコピーし始めると「残り8時間」とか出てきたので、中断してTimeMachineバックアップから取り込んだ。30分くらいで終わった。すると、アプリケーションからDashboardやDockメニューの配置からFinderのショートカットから「最近使ったフォルダ」に至るまで、前のMacの環境が完璧に再現された。起動したら、多用しているスティッキーズのメモが前のMacと全く同じ位置に現れて、感動した。暫くEmacsやらEclipseやらを触っていたが、キーボードとトラックパッドの違い以外、全く違和感を感じなかった。
しかし、1つだけ問題が起こった。iTunesを起動すると、データも設定も全く引き継がれていなかった。DRM(著作権管理)か何かの都合で、パソコン間で自動的にコピーされるのは問題があるのだろうか、と思ったが、ネットで調べてもそんな情報は見つからない。むしろ、どこを見ても、iTunesライブラリもiPodの設定も全て自動的に引き継がれた、「移行アシスタント」完璧すぎる、と書いてある。最初のネットワーク経由の移行アシスタントを電源断で中断したのが悪かったのだろうか、と、Command+Rを押しながら電源ONでMacOSXユーティリティを起動してTimeMachineバックアップからのリストアをやり直したり、Lionの再インストールをやり直したりしたが、同じだった。
5回目の移行アシスタントにはネットワーク経由でユーザーアカウントを移行させたら、iTunesのデータが完璧に引き継がれた。とりあえず全て移行できたので、そういうもんか、と思って、それ以上追究するのを止めたが、数日後、同じ外付けHDDを新しいMacのTimeMachineバックアップにしようとして、原因がわかった。外付けHDDの容量が少ないので、前のMacでも、~/Music/iTunesをTimeMachineバックアップの対象外にしていたのだった。
さて、MC969J/Aを使ってみた感想だが、軽くて薄くて速いのは当然良いが、ケーブル1本でMini DisplayPortからTVにHDMI出力できるのが特に良い。これでモニターが11.6インチと狭いことは全く問題でなくなった。13.3インチモデルを買わなくて良かった。
"OS X Lion"であることがやたらアピールされているが、今の所、"OS X Lion"だからいいという点は実感していない。"OS X Lion"のトラックパッドを使いこなせば違うのだろうか。
MC969J/Aを買って大満足なのだが、少し不満なのは、筆者にとってはキーボードとトラックパッドのクリックボタンの感触がMC402J/Aより悪いことだ。キーボードは、MC402J/Aと比べてストロークが浅い割にやや固く、押しにくい。実際、両方のキーボードを交互に同じように触っていると、MC969J/Aではキーが入らないことがある。クリックボタンも同様に、固くて押し心地が悪い。筆者か人差し指でクリックするからかも知れないし、慣れの問題かも知れないが、やはりいつもの感覚ではクリックし切れない時がある。もうMC402J/AはCD/DVDドライブを使う時以外は不要にしたいのだが、長時間キーボード入力する時はMC402J/Aを使おうかと、まだ少し思っている。
また、ポップアップサブメニューを出す時に、MC402J/Aの癖でトラックパッドに2本指タッチ+クリックとしようとすると、2本指が認識されず、単なるクリックになってしまうことが多い。トラックパッドに置いた中指と薬指を全く動かさず、そのまま人差し指で何回かクリックしても、効く時と効かない時がある。何が悪いのだろう。これに関しては、2本指でクリックすればいいことを知ったので、ほぼ解決したが、MC402J/Aと交互に使う時は、咄嗟に使い分けられず、問題になりそうである。
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