4五歩早仕掛けを正しく思い出せず失敗

昨日は開催していれば毎年参加している、地域の将棋大会に行った。
コロナ禍で2回中止され、3年振りの開催であった。
今年は参加者が少なく、例年90〜100人くらいなのに、60人くらいだった。A級は普段の半分程度の14人しか居らず、14人中8人が本戦トーナメント進出だった。

結果は大体いつも通り、A級で予選突破して1回戦敗退だったが、新型コロナウィルス騒動以降2年程完全に将棋から離れていた上に、多忙と疲労と諦めで約2ヶ月間1局も指さなかったので、予選で2連勝できて驚いた。

予選1局目の相手は過去1勝1敗の苦い思い出のあるK目さんで、前回と同じく角換わりになり、苦い思い出があるがこれしか思い出せなかったので棒銀を仕掛け、形勢は悪かったが先に馬を作れたので持久戦にして時間を使わせる作戦に切り替え、作戦通りに相手の時間切れで勝った。この大会は何故か角換わり棒銀と相性が良い。
2局目の相手はK田さんで、幸いにして対抗形では唯一覚えている、4五歩早仕掛けが可能な形になり、途中怪しかったが仕掛けからすぐに必勝の局面になり、押し切った。

本戦1回戦の相手は常連で過去優勝もしているE島さんだった。勝てるはずが無いので、くじ引きによるトーナメントの組み合わせの時点で1回戦敗退が決まっていた。幸いにしてまた4五歩早仕掛けができ、それらしい将棋になりかけたのだが、定跡を正しく思い出せなかった為に不利になり、粘ったが最後は時間が無くなって総崩れしてしまった。


この4五歩早仕掛けから△6四歩▲3七桂△7四歩▲2四歩△同歩▲4四歩△同銀▲4五歩△同銀と進んで、次の局面になった。

覚えてたはずの定跡(ガラケーの棋譜再生アプリに入れている定跡)はここから▲同桂で、△8八角成には▲同玉△4五飛▲2三角、△同飛には▲3三角成△同桂▲2四飛だったのだが、記憶が混乱してよく考えないまま▲3三角成△同桂▲3一角としてしまい、△3六銀と逃げられてしまった。
飛車角交換ができても、取れる銀にしかも前方に逃げられるのでは損に違いない。
ただ、激指14の定跡には▲3三角成△同桂はあり、そこから▲4五桂△同桂▲4六銀と戻す手はあったようだ。

△3六銀の後、▲4二角成△同金▲2四飛△3七銀成▲2二飛成△4八成銀▲同銀△4一歩とほぼ一直線に進んだ次の局面で大失敗した。

第一感は▲4三歩で、激指14の最善手もそうなのだが、△5二金とされたらどうしようと思ってやめてしまった。後で見ると△5二金なら▲3三竜なので△5二金とされる訳が無い。▲4三歩に△同金でも大したことないが、▲1一竜や▲5二銀の継続手があるので最低限必要だった。
ここで▲3一飛と指して△4四角と攻防に打たれてしまい、激指14の評価値が-400から-1000くらいまで下がった。

その後も自信の無い指し手を続けていたが、激指14で解析すると、意外にも最善手や次善手を多く指しており、評価値が少しずつ回復していた。

だいぶ後のこの局面の評価値は-600くらいである。この辺りは自信が無いを通り越してだんだん訳が分からなくなってきていたが、ここまでは善戦していたようだ。
ここで▲7七桂と▲7七桂打でかなり迷って、▲7七桂(激指14の最善手)だと△7六銀と入られた時に不安だと思って▲7七桂打としたが、当然の△8六銀が見えておらず、大事な桂馬を外されたのと無駄に考えて時間を失ったことで動揺してしまった。▲7七桂でも△8六銀だっただろう。


△8六銀▲同歩に△5五歩とされたこの局面で集中力が切れた。第一感は▲4七角で、激指14の最善手もそうなのだが、後手の1四の角がそんなに働いていないように見え、それと交換する気にならず、迷ってる間に残り4分を切ってしまい、時計を見て焦って何故か▲6五歩と意味の無い手を指してしまい、△5六歩とされて終了した。その次に本当は指したかった▲4七角を悔し紛れに指したが、後の祭りだった。

不利になってからの激指14の候補手には、概して辛抱する手、粘る手が多かった。筆者も粘る手を続けたことで評価値が回復していたようだ。勝つ為には粘る手が大事だなと思った。


コロナ禍で対面の対局の機会が無くなって以来、筆者は将棋への興味が薄れ、2年程完全に将棋から離れていた。会社の同僚から4月の某団体戦に誘われたので、3月から1ヶ月ほど少し勉強したり練習したりしたが、ほとんど取り戻せず、将棋ウォーズでは昔の昇段で三段のアカウントなのに初段にすら1回も勝てなかった。それから約2ヶ月、練習する気は起きず、1局も指さずに当日になった。
そんな状態だったが、この大会だけは思い入れがあり、開催していれば参加したかったので、予選落ちを確信し、午後からプロ棋士の指導対局を受けようと思いながら参加した。
...と書いてから、3年前に参加した時の投稿を読むと、今年も準備不足で予選突破は諦めていたと、同じようなことが書いてあった。
4月の団体戦の前はチームメイトの迷惑にならないようにと少し頑張ったが、同じ時期にこの大会の案内が届いて申し込んだ時、既にこの大会に向けて練習する気が無かった。私はこの大会の会場に行きたいだけで、ここで勝ちたいとは思わないようだ。